藤沢駅南口に設置されている「藤沢市民会館」。
多くの公演や式典などで使用され、市民になじみ深い施設です。
そんな市民会館に、建て替え・再整備のニュースが流れました!

これは、市民生活に大きく影響するビッグニュースです。
しかし、ニュースでは不十分な点があるので、元となる資料「藤沢市民会館等再整備基本構想(以下”基本構想”)」から、徹底的にわかりやすく解説していきます!
ポイントは2つ。
- 10施設の複合化
- 浸水対策施設の併設
工事の時期や、多数出ている反対意見なども、丁寧に説明していきますね。
建て替え・再整備の対象となるエリア
藤沢市民会館は、藤沢駅南口から徒歩10分ほど。
国道467号線沿いに面しており、電車でも車でもアクセスしやすい場所です。

駅から近いと見るか遠いと見るかは、人によるとこ
敷地内には、奥田公園・旧南市民図書館・旧近藤邸が併設。
市内の文化的拠点として活躍してきましたが、老朽化やバリアフリー対応が課題となっています。





すでに、南市民図書館は閉館



2019年、藤沢駅前の湘南GATEに移ったね


藤沢市はこれらの課題について、修繕するのではなく、建て替えを決定しました。
しかも、新施設は「既存の10施設の複合施設」になるという、大規模な構想です。
これは、単に「建て替え」というレベルではありません。
「文化的拠点の再整備、再構築」という表現がふさわしいでしょう。
再整備のポイントは…10施設の複合化+浸水対策


再整備は、上図のエリアで行われます。
- 藤沢市民会館
- 旧南市民図書館
- 旧近藤邸
- 奥田公園
これらの施設が入っている、約36,000㎡のエリア。
ここに、10施設+奥田公園+駐車場+浸水対策施設(後述)を設置します。



…入るのかな?
さあ、それぞれの内容を解説していきますよ!
10施設の内訳と、複合化の狙いについて


藤沢市民会館等再整備基本構想より抜粋
複合化される施設は、上図のとおり。



今、市民会館と図書館だけだから、大幅増だね
もちろん、全ての施設がそのままの規模では、入りません。


基本構想をみると、それぞれの「施設」を「機能」と言い換えているのがわかります。
「施設の複合化」ではなく、「機能の複合化」をしてひとつの施設にまとめるのが、再整備のポイントというわけですね。
基本構想は、ひとつの施設にまとめるメリットとして、以下のキーワードを掲げています。
- 利便性の向上(1か所でいろんな用事がすむ!)
- 相乗効果の付加(図書館と文書館が一緒なら、調べものがはかどる!)
- コストダウン(何回も工事するより、1回ですましたほうが安い!)
市民会館の中心「ホール」について、少し詳しく
複合化した結果、どのような施設ができるかは、ほとんど何も決まっていません。
基本構想では、市民や専門家から、様々な意見を集めている段階です。



いろんな意見や希望があったけど、どこまで反映されるものなんかなあ
まとめるには多すぎるので、この記事では割愛します。
ただ、「ホール」」については、割と詳しくて…。
下記の意見や、近隣自治体の状況、収益性などが細かく検証されています。


現在のホールは、大ホール1,380席・小ホール434席という構成。
歴史ある「藤沢市民オペラ」をはじめ、様々な講演や式典に利用されています。



藤沢市の成人式でおなじみ!
では、新しいホールはどう考えられているか。
基本構想の内容から、市の説明をピックアップしますね。
- 大小ホール(2ホール)の維持が基本
- 興行で収益を得ることは優先せず、利用主体は市民とすることが前提。
- 規模(座席数)は現在と同程度以上が必要。
- 規模(座席数)が大きくなると、整備費や維持管理経費の増大を招く。
- 上記内容やその他機能(リハーサル室や楽屋等)は、令和4年度以降に予定する基本計画で検討する。
詳しくは、「基本構想」の次の「基本計画」で、という感じ。



今のとこ、ホールの数や座席数は大きく変わらなそうだね
市民ホールに併設される「浸水対策施設」とはなにか
藤沢市は、浸水被害をおさえるため「藤沢市雨水管理総合計画」を立てています。
実は、この計画の中で「最も浸水リスクが高いエリア」とされているのが、今回、再整備の対象となっているエリアなのです。
そのため、基本構想において「浸水対策施設」の併設は必須ということになっています!



実際、道路が水没して困ったことがあるね



浸水対策してくれるのはありがたい
基本構想に掲載されている、浸水対策施設の図面がこちらです↓↓




敷地面積が4,000㎡(将来の建て替え用地も含むと8,000㎡)。
地上からの高さが10m、3階建てのビルと同じくらいの高さ!!



これはでかいぞ…
再整備エリアのどこに建てるのかは、まだ決まっていません。



奥田公園の隣にあったら、相当目立つね
詳細はこれからですが、施設の上に公園を設置するなどの案もでていました。
今後の情報に注目です。
その他、基本構想で気になるところを抜粋
奥田公園について


個人的に、子どもを連れて遊びにいくので、気になるところ。
「現在の面積を確保する。」というワードには、ホッとしますね。



分散配置になったら、大きな工事になりそう



全く新しい公園になるよね


このような課題も挙げられているので、公園自体、大きな工事になるかもですね。
駐車場について


現在の駐車台数は、410台となっていました。
100台近く、駐車台数を減らすということでしょうか。
我が家は車がないのでピンとこないのですが、余ってたんですかね?
- ハイループ車非対応の機械式駐車設備がある。
- 機械設備が老朽化している。
という課題も挙げられているので、リニューアルは必至ですね。



地上に駐車場を整備するのは、敷地面積が足りるのかなあ
工事の時期について
気になる工事の時期については、次のとおり示されています。


こちらが、複合施設の工事スケジュール↑↑
- 令和8年度(2026年)から工事スタート、令和11年度(2029年)の末ごろにオープン。
- 令和8年度(2026年)~令和11年度(2029年)の間、市民会館は閉館となる。
このあたりがポイントですね。


こちらは、浸水対策施設の工事スケジュール↑↑
- 令和9年度(2027年)から工事スタート、令和13年度(2031年)の末ごろに運用開始。
- 複合施設と浸水対策施設の工事は別日程。
- 複合施設オープン以降も、工事は続いている。
このあたりがポイントですかね。
再整備の内容に…不安、心配、反対の声が相次いでいる
「藤沢市民会館等再整備基本構想」が公開に伴い、パブリックコメント(市民の声を聴く)を実施。
様々な意見が寄せられていますが、正直、基本構想に対してマイナスな意見が目につきます。
大きく分けて、3つのポイントをピックアップしてお伝えしますね。
① 10施設の複合化について
ここが、最もマイナスな意見が多いところです。
パブリックコメントの一部を抜粋しますね(文字が小さくてごめんなさい)↓↓


このように、複合化を心配する意見が数十個、寄せられています。
全てを読みたい方はこちらを↓↓
10施設の複合化については、「藤沢市民会館等再整備基本構想策定検討委員会」の議事録からも、委員の心配の声を読み取ることができます。






識者の方の意見ですから、重いですね。
それに対して、市はこのような説明をしています↓↓


第3回 藤沢市民会館等再整備基本構想策定検討委員会 議事録(要旨)


第3回 藤沢市民会館等再整備基本構想策定検討委員会 議事録(要旨)
10施設の複合化は市のビジョンなので、そこをスタートラインに考えていきましょう、って感じですね。
全7回の委員会をもって、最終的には「藤沢市民会館等再整備基本構想に関する提言」がまとめられました。
そこでは、10施設の複合化について、以下の表現となっています。


「最適なそれぞれの在り方を十分検討してください」
10施設の複合化は決定事項のような内容ですが、今後、「これなら大丈夫」という計画、説明がされ、多くの人が納得できる形になることを期待したいですね。
② 浸水対策施設について
複合施設に併設される「浸水対策施設」について。
パブリックコメントでは、次のような声が寄せられています(小さくてすみません)↓↓


要点を抜き出すと、次の3つ。
- 地上部の施設が大きすぎないか?
- 複合施設と併設でなく、別の場所ではダメなの?
- そもそも絶対に必要な施設なの?
この点については、基本構想策定検討委員会の識者の皆様からも、「危惧の念」が寄せられています。


ただ資料を読む限り、やはり10施設の複合化と同じく、決定事項というかんじ。
設置の場所、上部の活用方法などはこれから詰めていくことになりますので、納得できるような計画が出てくるよう期待したいものです。
個人的には、近隣に住んでいて、道路の冠水などは体験しているので…
そういった被害がなくなるのであれば、ありがたいと思っています。



浸水被害の話も聞いてるしね
そして、専門的な知識がないのでわかりませんが。
技術的に、この場所が適切なのであれば、再整備の機会に建てるのは合理的だと思っています。
③ 南市民図書館について
現在は、藤沢駅前の商業施設、湘南GATEに入っている南市民図書館。
仮移転なので、再整備とともに元のエリアに戻る予定です。
ただ、現在の場所に移ってから、利用者が3倍に増えているという事実があるのです。


アクセスのよさが段違いですから。
市民から委員から、今の場所でよいのでは?という意見がでるのもっともかと。
ただ商業施設の中では、敷地面積が足りない、バックヤードがない、などの課題もあり、難しい運用となっている事情があるとのこと。
基本構想では、公園と一体化した図書館など、より良いものにするための議論もされています。
アクセスの良さに負けないくらい、魅力ある図書館になるとよいですね。
まとめ
今回の記事では、藤沢市民会館の建て替え、再整備について解説。
市民生活に大きな影響を与える話ですので、注目度も高い話題だと思います。
本文からキーワードを抜き出すと。
- 10施設の複合化
- 大規模な浸水対策施設の併設
- 工事期間は、令和8年度(2026年)から4年間。その間、市民会館は閉館。
- 複合化、浸水対策施設、南市民図書館について、マイナスな意見が多数
といった内容でしたね。
現時点では、基本構想の段階。
より詳しい計画が定まっていくのは、これから。
記事で取り上げた心配な点も、解消されていくとよいですね!
今後も、当ブログでは情報を追いかけていきます。
また、「藤沢駅&藤沢駅南口の再開発」も重要な話ですので、ぜひご確認ください↓↓

